今回はオリジナル設定のため参考文献はなし。
RPGにおける魔法と魔力みたいなもんだと思ってもらえればわりと早い(笑)
[2014年 1月 27日]
さて、今回は僕たちの特殊能力である『アーツ』とそれに欠かせない要素『マグ』について話をしようか。 今回はびし!ばし!っと講義するつもりだから覚悟しといてね。 し、シノがえらく燃えてる…… こいつの専門分野は『医療とマグの関係性』だからな。 殊更マグのことになるとむちゃくちゃ話が長ぇぞ。 こいつの研究に付き合ってたら体がもたね…… ぐはっ!? マグがすかんぴんのギルダー君は黙ってようか。 あっ、ギルダーが落ちた。 (シノの殺人パンチ怖ぇ〜……!) 気絶している人は放っておいて。 講義に入ろっか。 きゅ〜…… お、お手柔らかにお願いします…… まずはアーツの話からするね。 アーツは人間が誰しも必ずひとつは持っている特殊能力のことだ。『神の恩恵』だとか『天からの贈り物』だとか言われているね。アーツには個人差があって、人によって使える能力が異なるんだ。 オレの場合だったら『火を発生させ操る能力』だな。 ユーリのように自分のアーツが何なのかを把握している人が大半だ。 だけどアーツの使用には得手不得手がモロに出てしまうから、自分の能力を満足に使えない人もいる。中には自分のアーツが何なのかを知らずに一生を終える人だっているんだよ。 ちなみに、そこでのびてるギルダーは自分のアーツが何なのかを把握できていないよ。 えっ、そうなの? ギルダーはマグ値が異様に低すぎるからアーツを使えないんだ。よって、自分のアーツが何なのかわからない。 そうそう、そのマグなんだけど。 アーツと関係があるって話をよく聞くけど、具体的には どういうものなんだ? 関係性がよくわからなくて…… そうだね。アーツの詳しい話に入る前に、一度マグの話をしておこうか。 マグは生物を構成する要素のひとつであり、なくてはならない物だ。 マグを所有していない生物なんか存在しない。切り離すことのできないものなんだ。血液みたいなもんだね。マグの所有量には個人差があって、人によって値が変わるよ。 その人が所有できるマグの最大値を総マグ値、今所有しているマグの値をマグ値と呼ぶ。 総マグ値はコップ、マグ値は水だと思ってもらったらわかりやすいかな。 ふむふむ…… 総マグ値は生まれてきた時に値が決まっていて、それが変化することは一生ない。ちなみにこの値は人種によって異なるんだ。僕たちリーリア人(リーレイアに住む人種)の平均値は420前後。一方ダリア人(クルセウス及びその周辺国に住む人種)の平均値は760前後だ。 うわっ。 全然違うんだな。 そう。だから僕たちリーリア人は生まれつき総マグ値が低いんだ。後で詳しく話すけど、マグ値が低ければアーツの使用も困難となる。だから僕たちリーリア人はアーツをあまり重視していないんだ。 アーツによって人生が左右される クルセウスからは考えられないなぁ。 総マグ値は出生時のマグ値と同じだから、大抵の人は出生時に測定されているはずだよ。僕の総マグ値は平均より少し高めの472だ。ユーリの総マグ値はどれくらい? オレ、1151だって聞いたよ。 え! 1151!? そりゃすごいなぁ! 1000を超える人ってなかなかいないんだよ。 軍隊が専属のアーツ使いに泣いて欲しがるレベルだ。 えっ。そうなんだ。 ユーリ。今度僕の部屋でゆっくり話さないかい? (わきわき) (シノの目がめちゃくちゃ怖ぇ〜……) 冗談はさておき。 (目が本気だったような気がするんですけど!) マグ値今現在所有している値だ。 現在のマグ値はこの器具を使って測定することができるよ。 あ。オレ、これ使ったことあるよ。 体温計とよく似た形だから覚えてる。 口にくわえて測定するんだよな? その通り。 このマグ計測器には特殊な液体が入っていてね。マグを感知すると膨張するんだ。どれくらい膨張したかによってマグ値がわかるってわけ。 マグは体液に含まれているから、これを口にくわえて唾液で測定するのが一般的だね。 それじゃあ測定してみよっか。 はい、あーん。 (有無を言わせない感じだなぁ……) ぱくり。 体調に異常がなければ1125ってところかな? 1124……うわ、ほんとだ。ほぼぴったり。 何でわかったんだ? マグ値は総マグ値より少し低いぐらいが一般的なんだ。ユーリの体格から計算するとそんなもんかなーって。 ただし、病気にかかっていたり怪我をしていたりすると、マグ値が通常よりも低くなってしまう傾向にあるんだ。その法則は未だによくわかっていない。不思議だよね。 ちなみに、マグ値が総マグ値を超えることはありえないよ。 さて、マグの仕組みが大体わかったところで、アーツの話に戻ろうか。 マグに法則性があったように、アーツにも二つの法則がある。 二つの法則? まずひとつ目。 アーツは基本的にひとりひとつである。 ユーリが火のアーツしか使えないように、二つ以上のアーツを使える人は基本的にいないんだ。 ただし、この『基本的に』というのがミソでね。 稀にふたつ以上のアーツを使える人が確認されている。ただし、超低確率。確率的には10万人に1人のレベルだよ。 10万人に1人…… ふたつ目の法則。 アーツは遺伝によって決まる。 大抵の人は父親か母親のアーツを引き継ぐことになるよ。たまに祖父母以上の代のアーツを引き継ぐ人もいるけど、血筋以外のアーツを持って生まれることはまずありえないよ。 ……ねえ、シノ。 祖父母以上の代がありえるってことは、ひいひいひい…… おじいさんのアーツを引き継ぐってこともあり得るよね? ……ううん。なんでも。 ……はっ! 落ちてたのか、俺。 あっ。ギルダーが起きた。 話はどうなった? 終わったのか? いや。これからが面白いところだよ。 ……なんだ。 落ちてたのは割と短い時間だったんだな。 ……もっかい落ちとく? なんなら明日の朝まで。 勘弁してくれ…… それじゃあ話に戻ろっか。 アーツは人それぞれって話をしたけど、一応4つの型に分類することができるんだ。アーツによるマグの動きで分類することができる。 @放出型 体内のマグを何らかの形に変えて体外に放出するタイプだ。 ユーリのアーツはこれにあたるね。 A内発型 マグを自分の体内で有効な形に変化させる。 クレインの身体能力を上げるアーツは典型的な内発型だ。 B干渉型 自分のマグを相手のマグに干渉させて何らかの効果を発揮させる。僕のアーツは相手のマグに働きかけて自己再生力を上げる干渉型なんだ。 C特殊型 以上の3つにあてはまらないものはこれに分類されるよ。 滅多に見かけないタイプで、僕も実際に見たことはないなぁ。 へぇ。アーツとマグってこんなふうに関わってるんだ。 ユーリみたいに火に変わったり、人の身体に影響を与えたり。かと思えばそれが人体を構成するうえで必要不可欠な要素でもある。 ね、マグって面白いでしょ? (何が面白いのかさっぱりわかんねえ……) アーツがマグと大きく関わっていることから、アーツの威力はマグの量によって左右されると言われている。アーツの発動の際にはマグが消費するという考え方が一般的だね。 でもね、アーツをどれだけ使ったからといってマグが一定の量減るという法則性はないんだ。 えっ。アーツを使ってもマグが減るわけじゃないの? そう。そこがアーツとマグの関係性の最大の謎なんだ。 例えばユーリが薪に火をつけるために何度かアーツを使ったとしよう。威力は同じ、条件は変わらないものとする。でもね、1回目使った時は使用前と使用後のマグ値が変わらなかったのに、2回目使った時は大幅に減っていた、なんてこともありえるんだ。マグを全く消費せずにアーツを使えるなんてこともあるんだ。アーツ発動によるマグ消費に規則性はない。 でも、ギルダーのようにマグ値が低い人はアーツが使えないわけだから、アーツの発動にはマグの消費が関わってくるのは確かだ。 マグについて解明されていることは意外と少ない。マグとは一体何なのか。アーツとの関係性はどうなっているのか。マグは人体にどんな影響を与えているのか。それらの謎を解明するのが世界中の学者の夢だよ。 む、難しい…… アーツとマグって意外とややこしいんだな。 言っただろ。 こいつに付き合っていたら体がもたねえって。 (それって、頭が痛くなる的な意味?) 《今回のまとめ》 【アーツ】 @ひとりがひとつは必ず持っている特殊能力。 A得手不得手があり、マグ値が低いと使えない。 Bひとりひとつ。稀にふたつ以上のアーツを使える人がいる。 Cアーツは遺伝であり、大抵は父親か母親から継ぐことになる Dタイプは放出型・内発型・干渉型・特殊型の4つにわけられる。 【マグ】 @生物の体を構成する要素のひとつ。 A所有できる最大量を『総マグ値』、現在の量を『マグ値』と呼ぶ。 B総マグ値は一生変化することがない。人種によって値が異なる。 Cマグ値は総マグ値の少し低いぐらいが平均。体調によって変化する。 Dアーツの発動にはマグの消費が関わっているが法則性は不明。
今回はオリジナル設定のため参考文献はなし。
RPGにおける魔法と魔力みたいなもんだと思ってもらえればわりと早い(笑)
[2014年 1月 27日]